built-in furniture
ナラ材×ステンレスのアイランドキッチン|あえてダイニングと分けた、夫婦ふたりの暮らし方

 

 

工務店さんからのご紹介で、
ご夫婦ふたりの為の、オーダーキッチンの設計と製作をしました。
浜松市内の新築です。

 

キッチンだけでなく、カップボードやダイニングテーブル、テレビボードまで、
住まいの中の家具をトータルでご相談いただいたのも、今回の印象的なポイントです。

 

ご予算の都合で叶わなかったものもありましたが、
それでも「空間全体の一貫性を大切にしたい」という思いを、終始感じるお施主様でした。

 

シンプルで潔い空間を実現する為に、調理導線や収納には細かな工夫を重ねました。

 

 

 


 

打ち合わせで見えてきた、暮らし方への確かなこだわり

 

 

打ち合わせを重ねる中で印象的だったのは、
ご夫婦が「なんとなく素敵」を求めることなく、
実際の生活動作をひとつずつ具体的に言葉にして伝えてくださったことです。

 

たとえば食洗機について。
引き出し部分の寸法を食洗機の規格サイズにしておけば後付けできる旨をご提案しましたが、
「これまで何十年も使ってこなかったので、たぶん使わない」ときっぱり。
コンロ前のオイルガードも、後付け可能とお伝えした上で「必要ないです」とご判断いただきました。

 

背面収納にゴミ箱を組み込むプランも一度は検討しましたが、
「収納のデザインが統一されていてほしいので」と、見た目の一体感を優先する選択に。

 

こうした「要る」「要らない」の判断の速さの裏には、
日々の暮らし方をご夫婦の中で何度もシミュレーションしてきた時間があったのだと思います。
小さな金具ひとつの収納場所まで、実際に工房までご相談にいらしてくださったこともあり、
その熱量には私たちも背筋が伸びる思いでした。

 

 

 

 


 

キッチンとダイニング、あえて「合体させない」理由

 

 

オーダーキッチンのご注文を頂く際、
キッチンとダイニングテーブルの高さを揃えることにより
カウンターの連続性を途切れさせない工夫をするケースもあります。

 

キッチンカウンターとダイニングテーブルの高さが揃い、一体感のあるコーディネート例。

WORKSリンク🔗ダイニングと繋がるアイランドキッチン

 

しかし今回は
「キッチンとダイニングテーブルをあえて切り離して、それぞれの機能を際立たせる」ことに。
高さも、奥行きも、あえて揃えていません。

 

 

 

キッチンは作業の場、ダイニングは食事と会話の場。
その役割の違いを、そっと区別しています。

 

このように単独で使えるダイニングテーブルを採用したもうひとつの理由は
「将来的にレイアウトを変えたくなった場合でも、単体で使えるから」

 

 

 

テーブル自体も、当初検討していた積層板から無垢材へと変更し、
空間全体の調和を優先しながら、長く使う家具としての質感も高めました。

 

 

普段はご夫婦おふたりで、庭を見ながら食事をされるとのことで、椅子は横並びの2脚のみ。
来客時のための椅子は、背もたれのないベンチを採用。
普段はテーブル下にすっきりと収め、別室への通路幅を広くとれるようにしています。

 

 

 

キッチンカウンターとダイニングテーブルの、
高低差から生じた側板部分には、
家具用コンセントを設けました。

 

このコンセントを使って、ホットプレート料理を楽しむことは勿論、
スマホやパソコンを充電しながら、ダイニングテーブルでのデスクワークも可能です。

 

 


 

縦目のナラ材が生む、静けさという名の贅沢

 

 

 

庭側からキッチンとダイニングを見渡すと、
整然とした水平ラインが浮かび上がります。

 

そこに、ナラ材の木目を、あえて縦に採用しました。
横に広がるシルエットと、縦の木目が織りなす空間は、
静かで落ち着いた雰囲気を醸し出しています。

 

 

 

 

開き扉は取っ手を設けず、掘り込みの手掛けでフラットな見た目に。
艶消しのオイル仕上げで、サラっとマットな質感に仕上げています。

 

バイブレーション仕上げのステンレスカウンターと
異なる素材の組み合わせが、空間の奥行きを深めています。

 

 

 

 

 


 

洗った調理器具を、乾かしながらそのまま収納できる仕組み

 

 

ワイヤーシェルフは、ステンレス製の棚がスライドする仕様で、
いわば “引き出しとオープン収納の良いとこ取り” の便利アイテム。

 

洗った調理器具をそのまま置けるため、
乾燥を待つことなく、すぐに収納ができます。

 

引き出しも、段数やそれぞれの深さを自由に決めて頂き、
お手持ちの調理器具の大きさに合わせて使い分けられるようにしました。

 

このような工夫をすることは、日常の家事を快適にしてくれて、
結果として気持ち良い空間の維持へと繋がります。

 

 

 


 

見えていないのに便利に使える米びつ

 

キッチンまわりの悩みとして挙げられることの多い、米びつの置き場所。
今回は、使い慣れた米びつをシンク下の引き出しに内蔵する計画を進めました。

 

お米の重量に耐えられる強度と、操作のしやすさ。
その両方に配慮した設計にしています。

 

 

生活感の出やすい米びつが、表からはわからない。
でも引き出しを開けると、そこにある。

お米を計量するところから、米研ぎまで、一連の流れをスムーズに。
毎日使うからこそ、ストレスのない仕組みを考えました。

 

 

 


 

ナラ材で揃えた、LDK全体の一体感

 

 

 

キッチンの背面には、同じナラ材で製作した開き扉の収納が設けられています。

 

上部にはオープン棚を設け、日用品や小物を取り出しやすく。
カウンター下部はたっぷりとした扉収納で、生活感はしっかり隠せます。

 

 

 

 

そして、カップボードも同じ素材・同じ開き扉のデザインで製作しています。

 

同じ素材・同じ仕上げを使うことで、
LDK全体として調和のとれた空間が出来上がりました。

 

 

 

 


 

完成してからも、暮らしが育っていく

 

お引渡しから数年が経ったころ、
工務店のデザイナーさんがご自宅を訪問された際に、
お住まいの様子を撮影されたとのことで、
画像を提供してくださいました。

 

ご覧の通り、インテリアを楽しみながら、
快適な空間を保っている様子が伝わってきます。

 

 

 

 

 

 

その訪問の際、お施主様が
「黒田さんにお願いしたキッチン・ダイニングテーブル・TVボード、
どれもイメージ通りピッタリに作っていただけて感動した」
と仰ってくださったとのこと。

 

そのお話を伺い、改めて思い出したことがあります。

 

打ち合わせの中で、ご夫婦は見た目のことだけでなく、
「こういう使い勝手であってほしい」ということも、
たくさんシミュレーションを重ねて、私たちに伝えてくださいました。

 

デザインと機能性、そのどちらも諦めずに温め、育ててきたイメージを形にできたこと。
だからこそ、数年が経った今も、変わらず綺麗な空間の中で暮らしていらっしゃること。

 

その両方を見せていただけたことが、私たちにとって何より嬉しい出来事でした。

 

 

オーダーキッチンや造作家具のご相談は、どうぞお気軽にお問い合わせください。

 

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